エンコード入門

"エンコ"という言葉を聞きなれた方は多いと思いますが、
そんなに難しいものではありません。しかし、奥が深いものではあります。

コーデックの情報

DivX (ディブエックス)

おなじみの存在ですね、MPEG4のコーデックです。
圧縮率が高く、そこそこの画質があるため人気があります。
DivXNetworks社は"MPEG2品質の映像を1/10のサイズで実現"と宣伝されています。
公式サイトとインストーラーが微妙に日本語化されています。
無料のPRO版にはスパイウェア(アドウェア)がついてくるので注意。
スパイウェアが入ってない、19ドルの有料バージョンがあります。少し前までは30ドルだったので安くなってます。

XviD (エックスブイアイディー)

DivXと人気を二分している、MPEG4のコーデック。
元々はDivXのオープンソースプロジェクトOpenDivXで開発されていましたが、
DivXが商用化に乗り出し事でプログラマーが反発しXviDが生まれました。
元のプログラムはDivX4で、オープンソースです。
よく見ればDivXの逆さ読みです。

Windows Media Video 9 (WMV9)

高画質で圧縮できます。低ビットレートに強く、ノイズが出にくく、綺麗です。
なんといってもデフォルトのWindows環境で再生できるのが最大の強み。
エンコーダーでフィルタをかけなくてもWMV9そのものがフィルタで画像を少しぼかすようです。
ここらへんの理由でWMV9はアニメのエンコードに向いているとよく言われます。
ただDivX等と比べて、エンコードに時間がかかるのが難点です。

Windows Media Video 9 VCM をインストールすればDivXと同じようにWMV9をAVIコンテナでエンコードすることができます。

h.264 (ソフト名はx264)/日本語化パッチ

次世代圧縮コーデックの本命とされる規格。
MPEG2の2倍以上の圧縮率を誇り、低ビットレートに強い事からPSPやiPODに採用されている。
また次世代DVDのHDDVDやBlu-ray Discにも採用されている。
2005年現在はまだまだ普及していないが、次第に普及が進むと見られている。

マイナーコーデック

XVD

BAHが販売しているアメリカ産コーデック。
2ちゃんねるでは"高圧縮・低画質・低音質"と揶揄されていますがどうなんでしょう。
エンコード速度は早いみたいです。

VP7

米On2社が開発したコーデック。個人使用に限り無償で利用できる。
画質が良く、暗部に強いのが特徴です。低ビットレートでも綺麗だそうです。
しかしエンコード速度が遅く、再生にある程度マシンパワーが必要で今の所は高スペックマシンしか利用できなさそうです。

Real Video10

VP6と同じく低ビットレートに強く、ブロックノイズが出にくいコーデックです。
アダルトサイトなんかでよく見かけます。しかし肝心のPlayerは評判が悪いです。
エンコード速度は遅く、再生は少々重いです。AVIコンテナには収められませんがMKVコンテナには収められます。

MPEGシリーズの解説

MPEG1

VideoCDで使用されている規格、画質はVHS並。 ビットレートは1.5Mbpsまでで、Windows標準で再生できます。 シークが早いという利点がある為、ファイル共有の世界ではアダルト動画によく使われ、 MPEG1のアダルト動画は"エロペグ"と言われています。

MPEG2

DVD、BS・CSデジタル、地上デジタル放送で使用されている規格。画質はS-VHS並。 ビットレートは2M〜80Mbpsまでです。圧縮率は低いけど高ビットレートでは高画質。 Windows標準では再生できず、PowerDVD等のソフトが必要。

MPEG3

MPEG3はMPEG2に統合されてしまったので存在しません。

MPEG4

低ビットレートに優れる規格。 本来のMPEG4はQuickTimeに基づいていますが、DivX、XviD、WMV、RV等もMPEG4と考えた方がいいでしょう。

音声

mp3でエンコードするなら、LameACMを使いましょう。
数あるmp3コーデックの中でもLameは高い評価を受けています。
LameACM本体をダウンローダした後、解凍して"ACMフォルダ"の中の
infファイルを右クリックして、インストールを選択しましょう。

以下のサイトからLameをダウンロードしましょう。
Lame 配布サイトミラー1
Lame 配布サイトミラー2
RareWares

OggVorbis(オッグボルビス)

mp3の特許を持つあるドイツの研究所が、ネット配信やエンコーダーに対して使用料を 請求し始めたのがきっかけで生まれたオープンな規格です。ライセンス料が必要ありません。

性能は、mp3と同じビットレートで比べればOggVorbisの方が音がクリアでファイルサイズが小さくなります。 低ビットレートに強いようです。OggVorbisは基本的にVBRです。

エンコーダは最近定番となりつつある、aoTuVを使うと使うといいでしょう。 GUI上でエンコードできるoggdropXPがお勧めです。 OggDSを入れれば再生できます。

AAC

MPEG2、MPEG4で使用される音声コーデック、mp3に変わる次世代の規格だと言われています。 AACの96kbpsはMP3の128kbpsと同等だとデータに出ています。OggVorbisとほぼ同等と見ていいのではないでしょうか。

AC3

サラウンド対応の音声コーデック。「ドルビーサウンド」と言われることがある。 この音声を使用するためには、Dolby Laboratories社とライセンス契約をしなくてはいけないため、 AC3対応のソフトは高くなってしまいます。映画館・DVDで使用されます。

AC3Filterで再生できます。

アスペクト比

解像度は基本的には16の倍数にしなければいけません。
[640x480 512x384 320x240]

映画の場合は以下を基準にしてみましょう。
アメリカビスタサイズ   1.85:1 (624:336)
ヨーロッパビスタサイズ 1.66:1 (640:384)
シネマスコープサイズ  2.35:1 (640:272)

解像度の計算には、Gordian Knotを使う人が多いです。

fps

fpsとは一秒に何枚の画像を表示するかの単位です。
TV動画は29.97fps、映画やアニメは24fpsが基本です。

インターレース

TVで採用されている表示形式です。
PCで再生するとシマシマになるので、インターレースは解除しましょう。

ビットレート

一秒間にどれだけの情報を保存するのかを示す単位です。
ビットレートを大きくすれば画質は綺麗になりますが、サイズがでかくなってしまいます。
ビットレートを小さくすれば画質は粗くなりますが、サイズは縮まります。
動きが激しいシーンでビットレートが足りないとブロックノイズが発生してしまいます。

1passと2pass

1passは設定通り一回でエンコードします。
2passは一回動画を分析してから、エンコードします。
2passの方が動画は綺麗になりますが、通常の2倍の時間がかかってしまいます。 しかし2Passだとキッチリ指定したサイズ通りにエンコードしてくれます。 (700Mジャストの動画は大抵2Passでエンコードされています。)

ファイルコンテナ

ファイルコンテナとは、AVI・Ogg(オッグ)・MKV(マトリョーシカ)等を指す言葉です。
音声・映像・字幕を収容する建物みたいなものです。
コンテナによって、入れられる映像や音声が違っていて、aviはOggVorbis(音声の規格)を収容できませんが、mkvでは収容できます。

AVI

10年以上前に生まれ、Windows標準で対応しているコンテナ。
新企画の音声に対応しておらず、VBRのMP3もサポートされていない。
また、字幕のon・offができない。

OGM

AVIコンテナに足りない部分を補ったコンテナ。ソースは非公開。
複数音声・字幕・チャプターに対応している。
無論、OggVorbisにも対応している。シークが軽い。

OggDSを入れると再生できる。

MKV

マトリョーシカと呼ばれるコンテナ。オープンソースです。
かなりの数のコーデックをサポートしている。 OGMと同じく複数音声・字幕・チャプターがサポートされていて、徐々に普及し始めているみたいです。

Media Player Classicが標準で対応している。
Matroska Packで再生できるようになります。 テキスト字幕はVobsubで表示できます。

ソフトウェアの紹介

ソフト名 説明
AviUtl フリーのaviエンコーダーの決定版。エンコ速度はちょっとだけ遅め。
TMPGEnc MPEG1のエンコードならこれ。時間はかかるけど画質は綺麗。
DVD2AVI VOB→AVI形式にできます、いろいろ使う機会が多いです。
Gordian Knot DivX/XviDのファイル容量や解像度の計算、DVDのエンコに使えます。
DivX4calc DivXでファイル容量を指定するための計算ができます。
WMVit-R WMV9でファイル容量を指定するための計算ができます。
MKVtoolnix MKVコンテナの動画を作成することができます。
Matroska Pack MKVコンテナの動画を再生することができます。
Real Alternative Real Playerを入れなくてもReal Video10の動画が再生できます
OggDS OggVorbis形式の音声とOggコンテナの動画を再生することができます。
AC3Filter AC3形式の音声を再生することができます。設定で音量を上げる事をお勧めします。
Vobsub 字幕の埋め込み、テキスト字幕の表示に必要です。
SoundEngine オートマキシマイズで音量の調節ができます。
GSpot 動画や音声のコーデック等の情報が見れます。
DVDDecrypter 定番のリッパー。DVDのデーターをPCに取り込めます。

キャプチャーボード・PCについて

まず、キャプチャーボードについての話ですが、タイプが大きく分けて二つあります。

一つはソフトウェアエンコードタイプのものです、これは動画の処理をCPUにさせるものです。 このタイプのものはそこそこのPCのスペックを要求します。2G以上ないとキツイと言われています。

そしてもう一つはハードウェアエンコードタイプのものです。これは動画の処理を キャプチャーボードのチップに処理させますので、低スペックのPCに向いています。

そしてPCの話ですが、ソフトウェアエンコする場合はパワーが必要です。
フィルター無しの場合はPentium4の方が早いですが、フィルター有りの場合はAthlonXPの方が早いと言われています。 個人的にはコストパフォーマンスに優れるAthlonXPをお勧めします。

Winnyのエンコの職人の中には、DualXeon機を作ってまでエンコする人がいます。

S端子とコンポジットの違い

まず、コンポジットとはTVやビデオデッキに必ずついているやつです。映像部分が黄色のあれです。 S端子はその一つ上の規格みたいなものだと思っていただければいいです。

S端子はコンポジット映像端子で起こるドット障害・クロスカラー障害(色と色の間のにじみ)が起き難く、 画像のキレが良くなります。コンポジット映像端子に比べ、斜めの解像度が向上。

S端子のさらに上をいくコンポーネント端子というのもあります。

動画勉強リンク

超初心者はひっそりとここ見てから質問しる!
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初公開2004年の初め頃、更新2005/11/26